160番目のルノ
『ぼくは昔、猫だった』
病気になってしまったぼくを助けるために、ルノちゃんはぼくをアンドロイドのケモノ少年に仕立て上げたんだ。
ぼくは彼女に命をもらった。でも、そのルノちゃんはもういない。
繰り返し作り直して、何度も何度も「ルノちゃん」を取り戻そうとした。
でも彼女は「ぼくのルノちゃん」じゃない。
ぼくは大好きなルノちゃんを壊し続けた。
ただ会いたいだけなのに、どうしてうまくいかないんだろう。
その手で撫でて。その顔で笑って。なんで泣くの?
大好きだよ大好きだよ大好きなのに。